中学校福祉体験授業「災害」のカテゴリーで支援をさせていただきました。

簡易担架搬送体験
簡易担架搬送体験

 11月27日はZSVNの定例会でしたがちょっと参加者が少なかったです。でも、1月の「防災カフェ」の企画などについて活発な意見が交わされました。今年度の「防災カフェ」のテーマは「食べる。出す。」で行くことになりそうです。災害時の関心事はこれがすべてですね。これについてはまた後日UPします。

 11月28日、29日と座間市内の中学校2校からの福祉体験学習の時間に「災害」というカテゴリーを入れてざま災害ボランティアネットワークへ講師派遣の要請をいただきました。
 その結果、午後から、75分授業を担当させていただきました。私たちも初めての取り組みで福祉と災害という組み合わせがちょっと違和感もありましたが、せっかくの好意ですのでプログラムを作成して学校と調整させていただきました。

 私たちは、75分間を活用して災害のもとで各自がどのような状況におかれるかその中で中学生として何が出来るのかについての「イメージトレーニング」をと思いましたが、学校は何らかの災害時につながる「体験学習」をして欲しいということで結局は、「シェイイクアウト」と私たちが住んでいる神奈川県の災害リスクを話して、いざという時には君たち中学生が地域の力になるのだということを話し、その関連のこととして、もし怪我をしてしまった友人がいた時を想定して三角巾を使っての応急手当と、簡易搬送の実習をしてもらいました。K中学は20人、S中学は30名でした。それぞれ1年生です。

 私たちの活動の目的を話した直後、スクリーンに緊急地震速報のテロップを流し、警報音を教室の中に響かせました。一つの中学では警報音を聞き「きょとん」とした顔をして周囲の行動を見て「ああそうか」というような顔をしてノロノロと机の下に潜り込みました。
もう一方の学校では、一瞬時が止まったような感じののちに全員が素早く潜り込むことが出来ました。

 私の口癖になっている「なぜそのような行動が必要なのか?」ということを説明しました。
それは「生き残らなければ」何も始まらない」…死んでしまったら今までの13年の人生が断ち切られてしまう恐れすらあることを話しました。何があっても「緊急地震速報」聞いたら、①「大声で地震だ」と周囲に知らせて、②火から離れる、③避難路を確保して、④身を守る姿勢を取って、⑤揺れに耐えるという行動がとれるようになって欲しいということを伝えました。
 その後に、阪神淡路の時の震度6の揺れの動画を見てもらいました。
教室は凍りついたような雰囲気になりました。この後、皆さんが遭遇すると思われる「首都直下型地震」はこのくらいの揺れが起きることを説明しました。

 すると、一人の生徒が手を挙げて「本当にそんな地震が来るのですか?」との質問がありました。
私は、一瞬どうしようかなと考えましたが、「おそらく君たちがこれから先生きているうちに確実に来ます。そして、君たちはいやおうなしに巻き込まれる確率が高いです。」「君たちは、まだ確率という勉強はしていないと思いますが地震学者は首都直下型地震の30年発生確率は74%だといっている人もいます」「最近の首都圏での地震の発生頻度は決して低いとは言えません。だからこそ、このような勉強が必要なのです」と話しました。
質問をしてくれた生徒の顔はなんだか心配そうな顔になっていましたが、それが現実であることをきちんと伝えることが私たちの活動の一つだと思っての説明でした。

 二班に分かれて、交代で三角巾の使い方とシーツや、毛布を使って「担架」を作り近距離を搬送する体験をしてもらいました。三角巾を触るのはまったく初めての人もいるようでした。折りたたみ作業でかなりの時間を費やしてしまいました。
膝を縛る体験をしましたが・・・「本結び」がまったくできないのです。ほとんど全員が「縦結び」なのです。
通常の時にであればどんな締まり方でも良いのでしょうが、緊急時にはこの結び方が大事であることを話しました。それでも一生懸命取り組んでいました。
 もう1班では、シーツや毛布を使った簡易担架で友人を運ぶという体験をしました。これも、毛布の両端をぐるぐると巻いて、リーダーの掛け声で立ち上がり搬送にかかるのですが息が合わずに、患者役の生徒は怖い思いをしたと思います。何回か体験するうちに要領をつかんできました。

 このように身近なものを使って人を救助するという作業は君たちの力が地域に大きく貢献することになる背景についても話しましたがまだ一つピンと来てないようでした。
 それでも、このような体験は、万一の時に活用されると信じています。生徒の一人が、「そうかカーテンでも出来るよね」と発言をしました。その通りですね。君たちの柔らかな発想力こそが災害時には「役に立つ」のです。

 最後に、一つの学校の先生がお話になっていた「地域を守る力は君たちなのだ。君たちが頑張れば座間市の立ち直りは早くなるのだよ」という話が印象的でした。
 私たちも被災地を歩いて来て若い力の立ち直り力の高さを感じてきました。どうか、座間市に大規模な災害が起きた時には、私たちロートルの集団である講師陣を助けてくれることをお願いしておわりにしました。

市内の他の学校からもオファーをいただけることを期待しています。すべての学校に機会を見てお話をさせていただきたいと思うのですがなかなか、行政機構は難しくて・・・ありがとうございました。

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コメント: 1
  • #1

    kantyan (月曜日, 09 12月 2013 11:13)

    私たちは、これからの座間市を背負っていく中学生の講座を担当できたことは、大きな収穫であったと思っています。何よりも授業の一端とはいえ、その真剣さに圧倒されました。ただ、これらの授業が二校だけにならずに、すべての中学校で実施されることを希望して止みません。