· 

25年度冬のボランティアセンター開設運営訓練を支援しました。

資機材を受け取って出発です。
資機材を受け取って出発です。

 3月9日 恒例の災害ボランティアセンター開設運営訓練の日です。

啓蟄を過ぎたというのに真冬のような寒さの中、訓練が行われました。

例年この訓練は、1月に行っていたましたが、今年は3月11日の東日本大震災の3周年に思いを新たにすることで3月に実施しました。

 

 訓練想定は3月6日 午後6時30分に南関東地震域でM7.3の地震が発生し、座間市では震度6弱から5強の震度が観測され、かなりの被害(倒壊家屋 全壊230棟、半壊1800棟、避難者4400人など)が起きているとの与件で訓練が開始されました。

 

 この被害は市民である職員ならびにざま災害ボランティアネットワーク(ZSVN)メンバーも等しく受けます。その中で、各自が自らの安全、家族の安全を図ったうえで、発災から34時間後の9日の朝8時30分を目途に参集という流れて開始されました。また、参集途上に社協の災害情報収集メール宛てに写真ならびに被災状況を収集して送信することが指示されました。

 

 8時30分 座間市社会福祉協議会職員ならびにZSVNのメンバーがボランティアセンター(VC)開設予定施設であるサニープレイスに集合しました。VC約30名程度のスタッフが参集しました。

訓練開始に先駆けて、大震災から3年、被災を受けられた方々に対して冥福をお祈りする黙とうをささげました。

 

 訓練開始の合図によって各人持ち場に散ってサニープレイス3階のスペースを使ってVC会場が配置されました。約40分で開設し受け入れが可能な状態になりました。(今年のレイアウトは工夫が凝らされていて作業動線はとてもよくできていました)

建物前には、テントが張られ派遣作業必要な資機材が準備されます。また、外の寒さに対応するために灯油の強力なストーブも配置されました。活動ボランティア役のボラ連会員並びに一般参加の市民の方も来てくださっていました。(約30名)

 

 今回の派遣先は、グリーンタウン自治会館(私設避難所)、視覚障碍者の移動訓練(徒歩誘導)、がれき排除作業、施設炊き出し用具、福祉用品など搬送などを予定しました。

今回から、社協職員が避難所に出向いて支援要請情報の聞き取り訓練も行いました。

このような準備を経て10時にVC作業が始まりました。

約1時間40分ぐらいの範囲で30余名の活動者を派遣し作業をして帰着、フローまでの一連の訓練を実施しました。

 一方情報収集訓練は、3名の職員を施設避難所へ向かわせ聴き取りを行って帰着しそのデーターを整理し派遣要請データにまとめ本部判定審査の準備までを行いました。(判定会議は次回訓練で実施)

 

 訓練終了後、参加してくださった活動ボランティアの方からセンターの担当者の応対についての意見をいただきました。昨年も指摘されていた派遣者に渡す地図情報が改善されていなかったいう意見がありました。また、派遣作業の表示カテゴリー(大区分)と、作業内容に解釈のずれがあり、「こんな作業ではなかったのに」という感じを受けたので次回からは、作業内容が明確にわかるような求人票を提示してほしいとの指摘がありました。

 今回は貸し出し資器材も本物を使いましたので活動者にはやや負担があったようですが、実際の災害時にはそのような状況での活動であることが理解されたのではないかと思いました。

 

 引き続いて、12時からVCスタッフによる訓練振り返りが行われ、素晴らしい意見がたくさん出ました。

この訓練は、年2回行っていますので今回で9回目の訓練になります。

スタッフの着眼点も鋭くなってきており、VCスタッフの情報の共有化の課題などについても深い議論が行われました。

 

 本訓練を当初から一緒に取り組んで来た仲間としていくつかの意見を申し上げました。

M氏は、活動ボランティアの服装、装備について安全管理上の意味からもきちんとした事前の啓発が必要であることも話しました。今日の、参加者の装備で活動に出すことはできないと感じたという話をしました。

 

私からは、VCの運営を考えるうえで大切なのは、初動期、個別対応期、安定期、撤収期というように運営の流れを時間軸を考えて取り組んでほしい。

現実の災害時には、初動期のVC派遣作業は、総括的に市や施設などが一括してVCに対して応援要請が入る。そのほとんどは避難所の支援作業とガレキ撤去、道路開削、居住場所の整理作業が中心となる。

 

 したがって、個々人のケアーなどの要請に対して支援派遣はVCで十分に対応できないことがある。

(結果、このことが後々後悔の念として甦る危険性はあるが初動期からの細かな対応はできないと覚悟も必要)

 むしろ、これらの項目については、社協の本来業務の領域であり行政の福祉業務へのつなげることが職員の本務になっていくことを考えてもらいたいということを話しました。

その意味から、座間市社会福祉協議会としての事業継続計画(BCP)の策定を急ぐ必要があるということを指摘させていただきました。

 

 今年は、本当に充実した訓練になりました。残念なことは、このような訓練に地域の住民の方々が参加が少ないことです。しかし、性善説で考えれば、災害が起きれば市民は自発的に動くということを信じて取り組んでゆきたいと思います。

とはいっても、来年度の訓練では、市民への参加をもう少し強く呼び掛け地区社会福祉協議会などとも連携する訓練に進化させてゆくことを確認しました。皆様、ご苦労様でした。