第3回 国連防災世界会議のフォーラムで活動報告をしました。

第3回国連防災世界会議が3月14日~18日まで仙台市を中心に開催されております。

ざま災害ボランティアネットワークは、パブリックフォーラムで発表をさせていただきました。

 

私たちざま災害ボランティアネットワークに対して1月初めに開催本部である東北大学の方から国際会議のフォーラムへの参加について打診がありました。発表のジャンルは座間市と協働事業として取り組んでいる「座間市いっせい防災行動訓練(シェイクアウト訓練)」の活動について事例発表でした。この段階では、会議の概要やコンセプトが何なのかよくわかりませんでしたので座間市と調整をしてからご返事をさせていただくということにしました。いただいたお話に対しての実感がわかないままに内閣府のHPなどをチェックさせていただきましたが詳細を付かないままに今年度のシェイクアウト訓練に没頭しておりました。


このような状況で、2月に、防災教育普及協会やパブリックフォーラムを担当する国連防災会議防災教育日本連絡会から座間市に対して正式な招聘がありました。

今回の会議は10年間隔で開催される世界最大の国際防災会議で、本会議は安倍首相をはじめ各国首脳級や国連事務総長、担当分野大臣級などから構成され、ここでは10年前に行われた第2回の神戸会議からの10年間の活動の総括と東日本大震災を含め、その間に各国で発生した様々な災害への取り組みについての報告が行われ、それをベースに、今後10年間の防災を中心とした国際協力、研究や支援体制の構築、防災啓発活動などについて国際連合を中心としてどのような対応をしてゆくか、「ポストKOUBE」を検証しながらその思想を繋いで「仙台宣言」が採択される予定だそうです。当然ながら、天皇、皇后両陛下もご臨席されると伺っておりました。


この本会議の議論を深めるために、防災のさまざま活動の発表・研究・交流の場として約350のパブリックフォーラムが仙台市を中心とした会場で開催されることになっています。多くのフォーラムではそれぞれ目指す運動や活動、方向性を取りまとめた「宣言」を出すようです。


座間市及びざま災害ボランティアネットワークに参加の呼びかけをしてくださったフォーラムは「防災教育国際交流フォーラム」であり東北大学災害国際研究所(今村教授)を中心とし他、3団体と内閣府(防災担当)、文部科学省が主催するものです。

私たちは、座間市と協議した結果、市長から協働事業があったからこそここまで進んで来たのだから、ざま災害ボランティアネットワークが参加するのがふさわしいのではないかとのお話をいただき代表の濱田が出席することになりました。


参加するフォーラムのテーマは非常に長く、私たちも理解不十分のところもありますが、

「レジリエントな社会構築と防災教育・地域防災力向上を目指して」というものです。

最近、災害対策や防災の世界では「レジリエント」とか「レジリエンス」という言葉が使われます。日本語に相当する言葉としては「強靭な」とか「しなやかな」という意味で、政治の世界では「強靭化」として使われ予算の算定に際して使われています。一方、教育とか防災啓発活動、ボランティアの世界では「しなやかな」という言葉として理解されているようです。


前置きが長くなりましたが、座間市とざま災害ボランティアネットワークがお招きを受けた理由は「地域防災力の向上」分野の活動が評価されてのことらしいです。

会場は、中央会場から近い東北大学川内北キャンパスにある「マルチメディアホール」でした。会場の大きさとしては、ハーモニーホール小ホールよりちょっと小ぶりな会場でした。

私は、9時の集合に間に合うように前日の午後仙台入りをしました。また、当日はVIPの入場などの警備で渋滞などが起こることが予想されましたので、早めにホテルを出て8時50分に会場に入り下見を済ませました。


9:30 オープニングセッションで主催者からの挨拶がありました。

第1部は、「東日本被災経験から・教訓から学ぶ」で今回の被災した県教育担当分野の方々から報告がありました。(5発表) 次いで、「東北大学における防災教育実践事例」

(3発表)が行われ、次いで1階にある展示スペースで3つの実践の展示が行われました。(3展示)


昼食後、第2部に入り「世界、日本各地の防災教育の実践から学ぶ」というテーマに入りました。いよいよです。

2004年 インドネシア バンダ・アチェ津波後の防災教育、2008年 中国四川大地震と学校安全についてそれぞれ研究を担当した大学や政府機関の方から発表が行われました。ついで、ユネスコ・ジャカルタ事務局よりコメントが贈られました。


14:10 「Shake Out訓練」というテーマで、世界で最初にシェイクアウト訓練を発案した、南カルフォニア地震センター広報局長であるマーク・ベンセン氏からShake Out訓練の取り組み動機、その後の啓発活動と現況についての報告が行われました。

私たちのシェイクアウト訓練は、彼の考え方に共感した、京都大学の林春男教授が、我が国へ里帰りさせて、普及に努めたことから広がり始めたことについても触れておりました。その訓練規模は2014年には世界中で約2千6百万以上の人が参加する一大イベントに成長してきたことについて報告がありました。ちなみにアメリカでは10月の第3木曜日が訓練日となっているそうです。


この運動は、2012年3月に千代田区でテストランが始まり、その直後に座間市などが取り組みを発表して全国に拡散し、開始から2年経過した2014年度には、450万人が参加の意思を表明しながら各自治体や団体で行われる新しい防災訓練として成長してきています。

Shake Outは、単なる訓練ではなく地震から身を守った後、それぞれの人が考えて地域にあった訓練として展開できるところに特徴があることと、インターネットを使うことによって訓練を通じて情報を共有化することが出来るという特徴も併せ持っいています。このような訓練時の経験は、災害発生時にも活用することが出来る可能性を秘めており、今後ますます発展することを期待しているという発表がありました。


次いで、座間市の「行政と市民団体が協働事業として取り組むシェイクアウト訓練」というテーマで発表をしました。

座間市の取り組みの第一の特徴は、防災訓練を市民と行政が「協働」して行うという、近未来を予感させる取り組みであることです。防災行政は行政が企画推進して市民は動員される形で参加するものでした。しかし、本当にいざという時に役に立つのでしょうか。私たちはShake Out訓練を「行政」と「市民」の協働事業として取り組み、動員という「やらされている感」を取り除き、市民が自主的に「参加」する方向へ舵取りをするツールとして活用する方法で3年間の継続実施の中で得られた成果について報告しました。


座間市の特徴の2つ目は、「災害の学びを重ねる」という仕組みづくりを構築したことにあります。

多くの自治体が行っています一発勝負的なシェイクアウト訓練ではなく、シェイクアウト訓練をゴールに設定して、約1年間をかけて行われる階層別の防災講座、研修、訓練、防災イベントを「ロードマップ」に落とし込んで、誰もが見えるように開示して、市民が楽しみながらこれらの講座や訓練に参加するように仕掛けたことにあります。


成功の秘訣は①訓練に至るまでのプロセスの「見える化」を行ったこと、②教育現場での防災教育の推進。「ダンゴ虫」の実施、③市長の防災行政に対する強い思いと、取り組み姿勢にあることが職員を感化したことについて強調をさせていただきました。


その結果、2013年は3万2千人、2014年には4万3千人、2015年度には5万3千人と順調に進めることが出来ました。

そして、その取り組見の思いの底にあるのは「生き残らなければ何も始まらない」(Nothing Happens Unless You Survive) という座間市の地域防災計画のキーワードであり、さらには、いつか近い将来、必ず災害に「やられる」という前提を想定。それを「市民も行政」も明確にイメージを共有したうえで、乗り越えてゆかなければならないとを知ら示す…

これこそが「東日本大震災からの教訓をを地元に活かす」ということではないかと考えるのであります


その後は、「日本各地から学ぶ」というテーマで6つの実践発表が行われました。

そして、これらの発表をまとめる形で、林春男教授から「地域における防災教育の実践に関する手引き」の解説が行われました。


約10分間の休憩の後、「仙台宣言案の提言」をテーマにパネル討議が行われました。


パネリストは、藤岡達也氏(仙台宣言起草副委員長)、平田 直氏(全国防災教育普及協会会長)、今村文彦氏(国際防災世界会議防災教育日本連絡会長、林春男氏(防災教育チャレンジプラン実行委員長)、渡邊正樹氏(日本安全教育学会理事長)となり、コーディネーターとして矢崎良明氏(全国学校安全教育研究会顧問)の方が提言された「仙台宣言(案)」についてそれぞれのお考えを述べられて参加者に諮り採択されました。

丸一日の長い報告会でしたが一瞬のうちに終わるような感じでした。


会が終わり、マーク氏、ケイト氏と通訳の方を介して意見交換をしました。

彼が言うには「座間市の取り組みはパーフェクトだ。積み重ねることが大切である。しかも、階層別に研修や講座、訓練まで知識を「技」に変えるという考え方は素晴らしい。これからも継続してほしい。我々も連携して取り組んで行きたいと思う。これほど素晴らしい活動をしているLocal Governmentがあることを知ってうれしかった。」

ケイト氏からは「やられることをイメージしてそれを行政も市民も共有して」「生き残らなければ何も始まらない」という考え方のもとで一点に集中している活動がシンプルである。防災啓発はシンプルが一番だと思う。頑張ろう」というメッセージをいただきました。充実した時間を過ごせたことに感謝しました。


緊張の1週間。終わってみれば わずか9分間。発表にこれほどの練習を重ねた自分自身に何かご褒美をあげたくなりました。

これも、ざま災害ボランティアネットワークのメンバーの方々の日ごろからの協力があってこその今日であることを本当にうれしく感謝しています。

また、公社SL災害ボランティアネットワークのメンバーの仲間の何人かの方が、わざわざ仙台まで応援に来てくださいました。両Kさんには厚くお礼を申し上げます。また、今回の発表の場をお与えくださいましたH先生、S氏にもお礼を申し上げます。

座間市のシティー・プロモーションにも幾ばくかのお役にたてたことをうれしく思っています。ありがとうございました。帰りの新幹線は大宮まで爆睡できました。