市内保育園避難訓練検証およびスタッフ研修終了しました part-4

小松原保育園のシェイクアウト安全行動
小松原保育園のシェイクアウト安全行動

 座間市保育課からの依頼をいただいた保育園の避難訓練の検証と保育スタッフ向けの研修は、7月8日:東原保育園、7月15日:緑が丘保育園、7月28日:小松原保育園の研修をもって終了しました。

 例年以上に天候が不順で、いつ雨が来るかわからないような状況でしたが1園を除いてすべて予定通り、野外への避難訓練を実施することができました。私たち、団体にとっては、幼稚園での訓練指導、研修の経験はありましたが、保育園というところは、初めてのことで戸惑いもありましたが。メンバー全員で試行錯誤、しながら何とか仕様書通りの事業ができたと思っています。

 

 前2回の記事でも報告させていただきましたが、基本的な流れ、想定はほぼ同じでしたが、保育園の立地条件によって、災害からの危険度は大きく左右されることが見えてきました。個別の項目については、座間市保育課へ報告書として提出させていただきます。

 

 後半の3園の取り組みは、非常に熱心なものでした。それぞれの保育園の強みを生かし、弱点を克服することを考えたものでした。これは、各園の園長さんの熱意とスタッフの方々が、様々な工夫で乗り切ろうとする行動に支えられていることを感じました。

しかし、地震の時のドアの開閉、防火の時のドアの閉鎖などの基本的行動が理解されていないところも見えました。消火器の正しい使い方などにはまだまだ課題が残りました。これは、最初の教育が正確な基準で行われていないところに原因があるものと思われます。この点については、それぞれの園での取り組み状況を拝見して、災害ボランティアのメンバーが、正しい方法を教えて実行していただきました。消火器は基本的に15秒程度の消火剤しか入っていません。正しい方法で行わないとせっかくの消火剤が有効に作用しないことになります。

 

 座間市の多くの保育園の立地条件は、厳しい環境にあります。都市計画がないままに原野や農地が宅地化されてできた街です。そのために狭隘な道路が多くあります。人口の増加に伴い、市民の要請によって設置されてきた保育園です。十分な面積が確保できないままに開園した園もあります。また、開園当初は、空き地の中にあった園も、いつの間にか、住宅に囲まれてしまったというところもあります。

 

 県内でも座間市は、有数の人口密度の高い市になってしまいました。そのことから、何よりも大事なことは、地震の時に火災を出さないということです。万一、調理場などで出火してしまった場合には園児の安全確保と同時に消火作業が大事になってきます。そのことは、全部の園でお話させていただきました。

 

 本年3月、県が発表した新しい地震被害想定では、都心南部直下地震における座間市の揺れは以前の東京湾北部地震より強くなっており、震度6クラスの揺れが全市を襲うとされています。その中で、園児を預かっている時間帯に発災した場合には、抱え込み事態を想定する必要があります。

これは、保護者の勤務先が東京都、横浜市、川崎市などとなると保護者は条例で勤務先で足止めされることになるからです。この点についての対策と訓練が必要になると思いました。その時、園児にどのように給食を行うか、どのように抱え込んで保護者が迎えにくるまでの対応を真剣に考えなければならないと思いお話をさせていただきました。

 

 何よりも、「食う、出す、飲む」の基本的な対応策の確保と「電力の確保」が大切であることをお話させていただき、これらについては、「知識」ではなく「実体験」で覚えてほしいということから、ZSVNが座間市と協働で取り組む体験型講座を案内させていただきました。

 

研修中、スタッフの方々の、お家での安全対策を質問させていただきました。残念ながらテレビの固定、ガラス飛散防止に対する対策はほとんど行われていないようでした。保育士として仕事をするためには、参集できる体制をとれるようにしなければなりません。

 

 つまり、今の日本では、何が大切かというと「地震災害で死なないこと」「けがを最小限に抑えること」なのです。すなわち座間市の掲げる「生き残らなければ何も始まらない」という「減災・災害対応のキーワード」確実な実行なのです。

 そして、その実行動として、取り組んでいるのが、「座間市いっせい防災行動訓練(シェイクアウト訓練)」なのです。

この点については、保育園、幼稚園そして小学校でのシェイクアウト行動はすばらしいレベルに来ていると思います。最終日の小松原保育園のシェイクアウト行動は、私たちの今までの概念を突き破るほどの工夫がなされていました。涙が出てきてしまいました。

 

 私たち、ざま災害ボランティアネットワークが4年前に、市長に直談判に近い形で提案したこの訓練は、世界に誇れるものになりつつあると思います。残念なことは保育士さんが園児の安全対応に気を使うあまり自分自身の安全確保が不十分なところが見えました。せっかく配備されているヘルメットを使わない園もありました。厳しいことを申し上げるようですが、現実の場では訓練していたこと以上のことはできません。山本五十六氏は「訓練は実戦のごとく、実戦は訓練の通りに」といわれていました。この点は今後の課題のように感じました。

 

 おりしも、災害対策基本法が改正され、今までになかった「要配慮者」という概念が定められました。これは、一般的にいわれていた「災害時要援護者」(避難行動要支援者)の範囲が、より広くとられた概念であり、災害の時に、特に配慮を必要とする乳幼児、妊産婦、身体障害者、高齢者などを指していると考えられます。

 

まさしく、次の世代を担う子供たち、その子供を宿している女性などに配慮しなければならないということを、国もようやくわかってきたのだと思います。これ以上書くと誤解を招くこともあるので止めますが、この目の前にいる「園児」たちのいのちはどのようなことをしても守り抜くことが座間市の未来につながるものと考えるに至りました。私たちも進歩できました。 

 幸いにして、市がこの事業を私たちを選んで委託してくださいましたことに本当に感謝します。これも、改正災害対策基本法に書かれている、災害ボランティア団体との連携の精神の実現だと考えております。 

 座間市の、シェイクアウト訓練は本物です。

現実に、同日、同時刻に市内の在住、在勤の市民が身を守る行動をとるという、たった1分間の防災訓練ですがこれが定着し始めたことはすばらしいことです。

来る平成28年1月23日午前11時に向けて計画が進み始めています。私たちは、保育園のみならずその保護者の方々が、東日本大震災でなぜあれほど多くの「災害孤児」が出てしまったのか?という現実を、自分の家族のことに置き換えて考えて、我が家だけはこのような悲劇が起きないようにすることを真剣に考えていただきたいと考えるのであります。

 

 暑い中、この活動に、協力いただきました私たちのメンバーや保育園関係者の方々に感謝します。この活動に中から見えてきた様々な課題を今後は解決して、シェイクアウトと並んで公立だけでなく民間保育にも広げていただきたいと願うののです。

「継続は力なり」です。続けましょう。