27年度サマーボランティアスクール支援活動を行いました。(2)

 8月18日サマーボランティア・スクール2日目です。今日は、暑さを予感させる日でした。2日目の科目は、少年・少女消防教育講座です。今日の参加者は、昨日の8名に座間総合高校の運動部の生徒・先生12名を加えた20名の活動となりました。

 本来は、高校生も初日の受講予定でしたが学校の都合で参加できなくなり今日からの参加となりました。参加者は、到着順に受付を行い「バイタルチェック」を受けました。これは、炎天下の活動となるので、安全に活動するために必要な「体温・血圧・睡眠・朝食の有無」をチェックして異常のない人だけが参加する方法をとるものです。このようなイベントでは最低限必要な安全管理の一つです。

 

 訓練に先立って朝礼が行われ、担当者の紹介、今日の訓練予定、活動上の注意事項、会場の施設の説明が行われました。20名を2つのグループに分けてA,Bと名付けられました。さらに、その中を5名ずつの班に分かれました。

 

 最初の訓練は、消火器と屋内消火設備の使用法を学びます。消防訓練場には消防隊員の方々の手で訓練資機材が準備されています。基本は、火災発見⇒通報依頼⇒避難の呼びかけと消火活動、通報者は119番通報を行った後、火災現場に駆け付け消火活動を行うというものです。いずれの場合ににも大事なことは「大声で周囲の人に火災を知らせる」「確実な通報動作」を行うというものです。

 屋内消火栓操作訓練は、学校や工場、マンションなどの一定規模の施設の屋内に設けられている消火設備を正しく使う訓練です。これは、火災報知器とホース格納装置の中から約20メートルのホースを延長して「準備確認」「放水開始」の合図によって筒を構えて水を放水して消火する。鎮火したら「放水止め」の合図を出して送水を止めるという一連の動作を行うものです。初回の消防設備や用具を使う訓練に緊張気味でしたが回を追うごとにうまくなってゆきました。

 

 二番目は、消防隊員が出動の時に身に着ける装具を着用する訓練です。まず、現役の消防隊員が普段の行動服装から自分の装具を身に着ける動作の展示がありました。ズボン、靴、消防服(防炎・耐熱服)、顔を覆うマスクを首にかけ、ヘルメットをつけて、首の周りの防備を巻いて、ボンベを背負って点検を受けて出動となります。一つ一つの重要なかょを声を挙げて確認しながら着用して約3分で乗車・出動となります。みんな息を飲んでみていました。

そして各人が同じく着用の体験をします。「わっ重い」という声や「暑い」という声が聞こえます。今日は、ボンベの着用はしません。いったん着用した装具を脱いだあと着用競争が行われました。一番ビリは腕立て伏せ・・・という声に脅かされて真剣な面持ちで取り組んでいました。着用が終わったら手を挙げてチャックを受けます。ズボンのチャックを閉め忘れて「燃えるぞ」といわれていた人もいました。

 

 さて、いよいよ火災現場出動訓練です。火災出動の命令が出されて装備をつけて消防自動車に乗車。訓練場内をサイレンを鳴らして巡回し、火災現場に到着。ホース接続、放水・消火までの一連の訓練を体験しました。各班ごとにチームからリーダーを選出しそのリーダーの指示に従って火点に向かって放水するという臨場感ある訓練で参加者は感動していました。午前中の訓練はこれで終了となりました。昼食になりました。

 

 休憩中に「オレンジ服」が運び込まれました。消防隊員が憧れる「ORANGE」です。消防隊には通常の火災現場に出動して主に消火活動に従事する隊員と、ビル火災など比較的規模の大きな火災現場に出動し火災現場に取り残された被災者の救出など高度な技術を持った特別救助隊員(通称:オレンジ)と呼ばれる隊員がいます。午後からの訓練は、オレンジ隊員の体験を行います。そのために全員その活動服を着用しました。

 

 休憩後、13時全員、オレンジの活動服を着用して隊長のもとに集合して準備体操を行いました。「これから行う訓練は厳しい訓練なので十分に体操をしておくこと」という号令が出されました。訓練は、高所活動の体験で確保用のロープそして隊員の体を保持するための安全帯を着用して15メートルの垂直の梯子を上り頂点で「確保」という合図を送って階段を下りてくるという特別救助隊員の模範演技が展示されました。所要時間(昇降活動時間)はおおむね3分台で見ていた参加者は感嘆の声が上がりました。

 

 体験訓練が始まりました。一番手は男子高校生。緊張の面持ちで「準備良し」との号令を伝えて手足(三点支持を厳守)を動かして登りました。15メートル地点に到着手を挙げて「確保」の合図を送り確保用のロープの操作を確認したのちに一段一段と降りてきました。最後の一歩が地面についたときには後ろから見ていても緊張の糸が切れたように大きく息を吐いていました。大きな拍手が起こりました。

このように参加者全員が、自分が登れる高さまで登り、確保の合図そして降りてきました。このような危険を伴う活動に中での「安全行動」は個人の技術だけではなくチームワークに支えられてできることを感じたのではないかと思います。

 

 次いで、空中に張られたロープの上を自分の体を支えながら一方の側から対岸の側に移動する体験をしました。揺れるロープ、下には相模川に見立てたブルーシート魚の絵が描かれています。模範演技は、①セーラー渡過、②モンキー渡過、③チロリアンブリッジの3つが展示されました。①は、帆船の帆を張る水兵が用いた技に由来するそうです。ロープの上にうつぶせの姿勢でまたがり片方の足をロープに巻き付けてバランスをとりながらロープをつかんだ両腕を交互に動かしながら進む方法です。②は、サルが蔦などを使って木から木へと渡る動作をヒントに編み出された方法といわれています。腰に巻いた確保用のロープに取り付けられたカラビナに体を預けてロープにぶら下がり両手を相互に動かして、足を空中で大きく動かし反動力を使って渡過する方法です。③は、特殊な固定可動調整器具などを使って人や物を対岸へ渡す時の方法です。

 

 訓練された隊員の技術は見事でした。参加している高校の先輩の演技に惜しみない拍手が起きました。さて、我らオレンジ隊員の実技体験です。かなり苦労をしていましたが、本物の隊員のサポートを受けて何とかやり遂げることができました。多分明日は腕が痛くて大変だと思います。

 

 最後は、Aチーム、Bチームから選抜された(じゃんけん)6名のチームで、対岸で救助を待つ人を救出する訓練を行いました。リーダーの合図で一番隊員が渡過して要救者の状況確認と報告、次いで二番隊員、三番隊員が渡過して要救者の体に救出用の保護バンドを装着し安全確認を行ったうえで、対岸へ「ロープを引け」の合図を送り、川に渡されたロープにつるされた要救者を引き寄せ救出。直後、リーダーから「河川水位上昇の様子至急脱出せよ」との指令。三番隊員、二番隊員、一番隊員の順でこちら側の岸に到着して訓練終了。見学者は息を飲むような感じで見ていましたが終えると歓声と拍手が起きました。Bチームも同じように頑張りました。

 

 短時間の訓練で、プロの隊員のサポートこそはありましたが、旧拵えのチームで本当に集中してやってくれたと思います。付き添い参加の女性教師の方は思わず涙ぐんでいました。これでORANGE隊員の訓練課程は終わりました。全員で整列して敬礼で解散しました。

 

 水分補給をして休憩後は、消防はしご車の体験搭乗です。15メートル級、45メートル級の二台のはしご車が用意されていました。参加者は、隊員とともに搭乗前に記念撮影をしてスルスルと高い空の上に登ってゆきました。先ほどまでの緊張感から解かれて雑談をしながら搭乗を待つ姿は、遊園地で順番を待つ中高生たちの素顔がありました。

 

 全員登場体験が終わると、どこからともなく座間のゆるキャラ「ざまりん」が登場。全員で記念撮影をしました。休憩室に戻って、着替えを済ませると修了式が行われました。警備課長からの訓練講評が行われ本当に熱心に取り組くんでくれたことに対して好評価の言葉がありました。今日の訓練の開始のあいさつで「練習」と「訓練」の違いを感じてほしいという宿題への解答もありました。参加者はそれぞれにその意味を感じたと思います。消防隊員は、日々このような訓練を積み重ねながら市民の命、財産、いのちを守る活動に取り組んでいることを知っていただき家族の皆さん、友人の方へ話してほしいとの話がありました。最後に消防長より受講生に対して、挨拶があり修了証と普通救命講習受講者に対しては「普通救命講習終了証」が交付されました。

 

 2日間を通して受講してくれた方、1日だけの受講生もいましたが、おそらく消防隊員を目指して合格しなければ、絶対に二度と体験することができないサマースクールだったと思います。この企画に協働参加され、順備、後片付けをして下さいます座間市消防本部、消防署の職員、隊員の方々にお礼を申し上げます。今日の体験がきっかけで、一人でも消防職をめざしたり、地域で活動する消防団員として活動してくれる若者が出現すれば良いなと思いました。

暑い中、参加者の安全管理、体調管理のために参加してくれた社協職員の方、ZSVNのメンバーの方本当にご苦労様でした。

私たちも、この活動を通じて多くのことを学んだと思います。今後の活動に生かしたいと思います。