清川村社協災害救援ボランティアセンタースタッフ養成講座支援活動が終わりました。

 神奈川県で唯一の「村」であります愛甲郡清川村の社会福祉協議会からの依頼を受けて、8月から3回コースで取り組んできました、「清川村災害救援ボランティアセンター運営スタッフ養成講座」のお手伝いが、10月9日で無事に終えることができました。

 清川村は、宮ケ瀬ダムを上流に持つ人口約3千200人の村です。県道64号線沿いに集落が点在し、厚木市との境に住宅団地があり、村役場周辺の煤ケ谷(すすがや)地域に行政機能が集中しています。そして、ダム周辺に観光業を営む集落がある村です。村の主要道路は丹沢山系谷太郎川から流れ出た川が小鮎川となって厚木市へと続きます。小鮎川沿いは傾斜地も多く県の急傾斜地の指定を受けている場所も点在しています。

 

 村でもし、大規模災害が起きた時どのような影響が出るのか、その時社協としてどのような対応を取らなければならないのかということを社協幹部職員の方が気づきました。約3年をかけて近隣市町の社協や市町の災害対応について研究を重ね、ご自身も多忙なスケジュールを縫って県の災害ボランティアコーディネーター養成講座や、神奈川県災害救援ボランティア推進委員会の防災・減災講座を受講したり近隣の社協の講習や訓練などを見学し、勉強をして企画を進められてきました。

そして、私どもざま災害ボランティアネットワークおよび愛川町災害ボランティアネットワークに相談をいただいたわけです。

三者で県とした結果、村の実情などを鑑み、近隣市町が行っている災害ボランティアネットワークという組織を構築するのではなく、万一、清川村に災害救援ボランティアセンターを開設・運営する事態が出てきたときに、センターの運営スタッフとして活動していただける村民の方を活用しよう。この方々に災害救援ボランティアセンターの知識と技能を持ってもらおうということになりました。実は、この方法は、私たちが大和市社協に対して支援をさせていただいている方法と同じなのです。

 

 講座は、3回シリーズにして8月に半日の減災・災害対応の考え方を学ぶ「発災後の3:3:3」という図上演習(WS)を取り入れた講座を行いました。ついて、9月に半日のコースを設け、清川村の防災担当職員の方から清川村地域防災計画について学び、愛川町災害ボランティアの講師より過去の災害に学ぶというテーマで災害のことを学びました。

 最終回の9月は、あえて平日を選んで災害食の体験と災害救援ボランティアセンターについての座学と実技を体験しました。

第1回目の講座には、村民の1%の参加者がありました。これは、私としても初めての記録でした。住民の1%の方が災害ボランティアの講座に参加するなんて驚異的な意識の高さなのです。これで担当のK氏もほっとされたようでした。

2回目は、村のほかのイベントなどとの重なりがあって参加者は20名程度でしたが熱心な聴講風景を見ることができました。

 3回目を平日にしたのは、平日の清川村の地域力を見るということで設定したのです。ふたを開けると、なんと21名の受講者がおりました。私は、これを見て清川村の地縁の強さを感じたのです。

最初に、非常用炊飯袋による災害食の炊飯体験をしました。その後、講習室に移動して、災害救援ボランティアセンターというものはどういうものなのかについての講義を聞きました。

昼食は、調理室に戻って災害食の給食の方法を学びました。炊飯袋で炊いたご飯を、ビニール袋で覆われた食器に盛り付けて、レトルトのカレーを食べました。そのほか、水がない場合の応用編として、ウーロン茶やアップルジュースを使って炊いたご飯も試食したり、スパゲティーをゆでてペペロンチーノのふりかけを使ったイタリアン料理も試食しました。

 午後からは、受講生をセンター運営スタッフ役、駆け付けボランティア役にの二つに分けて、災害救援ボランティアセンターの開設・運営作業のロールプレーイングをしました。3つの派遣要請に対してどのように受け付けて、送り出し、帰着したボランティアの方をフォーローやケアーをするのかということを体験してもらいました。1時間の体験ののちに、お互いに役割を交代して体験しました。

 全ての、講義、体験演習を終えて全員が集まって今日の取り組みについての感想や意見交換をしました。そこへ、おやつとして、今日の炊飯袋を使って作った「ケーキ」がお茶菓子として出てきました。参加者は、そのおいしさに驚いていました。

予定の15時20分ですべての課程を修了しました。ここで、社会福祉協議会の事務局長から3回の講座の全てを受講した受講生に「修了証」が手渡されました。また全員に、今日使った非常用炊飯袋 1パック(20枚+輪ゴム+マニュアル付き)が記念品として贈呈されました。

 私たちが、清川村に対して災害ボランティア活動の呼びかけを始めて約4年、それを受けて事務局長が構想を固め村役場と調整しここまで動かれたことに敬意を称します。

村の職員は約90人です。社協の職員は、正規職員は3名です。このように極限に近い状況の中でも、やる気があれば、思いを実現させることができるのだということを強く感じました。

 

 話しは変わりますが、茨城県の常総市で大きな水害が発生しました。子の災害からは様々な課題が見えてきましたが、災害救援ボランティアセンターの訓練が行われていなかったというよりも、そのような組織をもって運営することも知らなかったことが浮かんできました。我が国は、どこの市町村でも災害が起きないという保証はない国なのです。

今後、清川村のこのような活動が、全国の小さな町や村のモデルになることを願って帰路につきました。これからも、災害ボランティアとして清川村のお手伝いをさせていただきたいと思っています。

協力いただいた関係者の皆様へお礼を申し上げます。