マンション防災 ワークショップ

座間市入谷東2丁目 東建座間ハイツ全景
座間市入谷東2丁目 東建座間ハイツ全景

 皆さんのお住まいになられているマンションの災害災害の前に取り組む(減災対応策)、災害が起きてしまった後の行動手順(災害対応策)について参加者の現状を出し合って皆さんで海図(タイムライン)を考えるワークショップです。

マンションの管理組合は法的には「財産管理団体」で、現在では組織することが一般的です。しかし、時代の変化に伴って管理方式にも新しい潮流が見えています。

 いずれにしても大規模な災害が起きた場合には猶予なく対応を求められますが、災害前から誰が、どれだけ備えていたかということが災害後の復旧手順、被災中の生活の維持さらには建物の今後をどうするかについて話し合う基本になります。災害が来ない今のうちに我がマンションのことを皆さんで考えてみませんか。想定の無い所には対策もありません。あなたのマンションには、先行きを示す羅針盤や海図は準備されていますか?


マンションと一戸建ての違いを環境の違いを理解してください。


 マンションが増えてきました。開発会社は、消防法などの規制のために一番収益性が良い14階建てのマンションを中心に建設してきました。しかし、最近では建設技術が向上し免振、耐震構造を売り物にした建物を立てて20階建て30階建てという高層マンションを建てる傾向があります。県央地域でも集中的に開発が行われている地域もあります。

マンションにお住いの皆さんは、マンションの災害対策はどうなっていますか?

「わがマンションには常駐の「防災センター」がついているので大丈夫だ」とか「うちのマンションの管理会社は優秀なので任せておけば大丈夫」という声も聴きます。確かに一理あります。

 比較的初期に建てられたマンションは、居住者の方々が阪神淡路震災のマンションの被災状況を見て「コンクリート建て」だから大丈夫だと思っていたけど、築年数によってこんな被害があるのか、という意識から災害への取り組みを強化しています。半面、築年数が重なるにつれて管理組合の役員のなり手がいなくなり、ついに法律も、所有者以外専門家を役員に選任できるようになりました。 


耐震の別れ道・・・・あなたのお住まいは?


  ご存じの方は多いと思いますが、マンションには1995年の阪神淡路震災の経験などを基に出された耐震強化策前にの建物と、最近の、耐震基準に応じたマンションがあります。その分かれ道は、

建築基準法は1971年(昭和46年)と1981年(昭和56年)に「耐震基準」に関して大きく改正されました。

その後、2000年(平成13年)に木造住宅の耐震強化に向けての法改正が行われました。

 1971年の改正では、十勝沖地震の被害から「震度5程度までの中地震で倒壊などの被害を受けない」ことを目的にしていたのに対し、1981年の「新耐震基準」では、「震度5程度では建物が損傷しない、震度6強から震度7程度の大地震で倒壊などの大きな被害を受けない」と変わりました。

ちなみに震度は気象庁が「計測震度計」によって測定しているもので、「震度7」が最大です。

 阪神・淡路大震災のときに建物にどういう被害があったかを建築年別に調べた報告書があります。
それによると1981年以前の建築物は中・小破および倒壊を含む大破以上が7割近くを占めていたのに対して、1982年以降の建築物には、中・小破以上の被害は3割に満たなかったのです。7割以上が軽微・無被害ですみました。

「新耐震基準」が施行されたのは1981年6月1日。
つまりこの日以降に建築確認申請が受理されている建物が新耐震基準に適合しているマンションということになります。「建築確認申請済証」でそれを確認することができます。

 建築確認が受理された日を確認できない場合は、マンションの工期を考慮して1983年以降なら新耐震基準で建てられていると思ってよいでしょう。

ちなみにフラット35の融資を受けられる技術基準では建築確認日が不明な場合は、「新築年月日が1983年4月1日以降であること」とされています。


大規模災害が起きたらを考えていますか


 万一大規模災害に見舞われてしまったらどうなるでしょう。多くのマンションは、火災保険に加入し保険額の1/2までの地震保険に加入しています。(地震だけ単独では加入できない)しかし、実際に、3・11に時に、加入していなかった例を知っています。何棟かあるうちの1棟で未加入ということでした。

ほかの加入していた建物は、5%の保険金が下りました。保険額の分母が大きいので保険給付金は千万円台の金額でした。小さな損害が出ていましたので保険金で修繕して余ったお金は修繕積立金へ積み増しました。

未加入の棟では、修繕積立金を取り崩して修理しました。このように、管理組合の機能がうまく運用していれば損害をカバーすることができます。災害が起きるともっと大変になります。これらのことを決めるのは、管理組合の役割なのです。 


災害に見舞われたら


  仮に被災してけがをした人を14階から、階下へ降ろす必要が出てきました。さて、エレベーターが止まりますので階段でおろすことになります。

日頃から訓練が行われていれば何とかフロアーの人たちの力を合わせて降ろすことができると思います。

 何号室の状況がわからない。消防署のレスキュー隊が入ります。安否確認からの作業はしてくれません。それは「自衛消防隊」の任務です。すぐに調べて再度連絡くださいといいことにならざるを得なくいなります。

 これは皆さんでもお分かりですね。レスキューの任務は助けたい人より助けやすい人を優先するのです。

そこで、初めて自衛消防隊???では安心して生活できませんね。

 高層の建物は地表面の揺れ以上に大きく揺れます。長周期の波と同調すると大変な揺れが起きるといわれています。次に来る地震は、首都圏で震度6クラスが想定されています。地表面で6クラスであれば14階でも6強から最悪の場合には7の揺れを考えなければなりません。    人は立っていられない状況でおそらく船酔いの状態で避難行動もおぼつかないと思います。

 室内を思い浮かべてください。固定をされていない家具類はすべて動く、倒れるか飛ばされます。ガラス製の食器棚などは中の食器がが暴れて食器棚のガラスを割って食器が落ちて割れる被害が出ます。

 電気、ガスはすべてロックされますので、照明が使えなくなります。日頃から置いてある懐中電灯は飛んでしまいその上に棚の物が落ちてきて役に立たないと思います。仮に、あっても、片手で懐中電灯を持って何の作業ができますか?夜間であれば寝室からリビングへ出た途端に足の裏にガラスの破片が突き刺さるかもしれません。もうあなたは何もできなくなってしまいます。いわゆる「足手まとい」の人になるのです。

  今の子供たちは、漆黒の闇などには慣れていません。子どもたちはパニックになるかもしれません。家具でドアが開かなくなり個室に閉じ込められて、家の中で孤立します。真っ暗の中でパニックになるかもしれません。

そのような時に、ヘッドライトが枕の下にあれば、ドアの外から声掛けをして、勇気つけることができます。

家族一人に一個のヘッドライトが必要なのです。まだまだ準備すべきことはあります。一般の防災の教科書には多くの漏れがあります。また、マンション生活ではやらないほうが良いこともあります。

これらのことを、時間軸に変えて皆さんで話し合って行動に移しませんか?